応仁の乱~戦国時代を生んだ大乱~

呉座 勇一、中公新書

 18万部以上と大ベストセラーとなっている歴史書。室町時代後期に勃発し、京都を主戦場に戦われた応仁の乱だが印象はどうも薄い。その応仁の乱を題材にしながら、学術書ともいえる本書がベストセラーになっているのは少々不思議である。


 筆者はこう語る。「華々しいところがまるでなく、ただただ不毛で不条理。これが応仁の乱の難解さ、ひいては不人気につながっている」と。本書で筆者は、応仁の乱が起こった理由、どのように終結したのか、11年もの長期戦になったの理由について、当事者たちの性格や思惑、複雑な人間関係、当時の文化、風俗、戦法までを引きながら解き明かす。応仁の乱は始まったことではなく、長期にわたって続いたことにこそ意味があるという、第1次世界大戦になぞらえた筆者の見解は興味深い。


 評者にとっては、山名宗全と細川勝元くらいしか思い出せない応仁の乱について、歴史上の位置づけを学ぶ格好の書となった。ところどころでズバッと切り込むメリハリをきかせた書き口なので最後まで飽きずに読み通せる。ただし登場人物が多く、しかも似通った名前がどんどん出てくるので、気を抜くと筋が分からなくなり読み返すハメに陥るので要注意である。

書籍情報

応仁の乱~戦国時代を生んだ大乱~

呉座 勇一、中公新書、p.302、¥972

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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