行動経済学の逆襲

リチャード・セイラー、遠藤真美・訳、早川書房

 行動経済学の創始者の一人でナッジの生みの親が、学会に認められるまでの苦闘の歴史を振り返った書。アイデアが生まれたプロセスから、異端視された時期、ノーベル賞受賞者(ダニエル・カーネマン)を生んだ現在までを順を追って解説する。帯に「行動経済学一代記」とあるが言い得て妙である。行動経済学を理解する格好の書といえる。

 

 行動経済学の原点は、なぜ経済学者の予測は当たらないかである。既存の経済学が数学的厳密さに血道を上げ、現実の人間の行動に関する研究が蔑ろにされている指摘し、合理的・効率的に行動する人間を仮定にした経済学の限界を論じる。人間の心理は多様で、行動は決して合理的ではないことを数々の事例を挙げて論じる。事例は豊富で、興味深いものばかり。このあたりは知的好奇心を満足させられワクワクする。

書籍情報

行動経済学の逆襲、リチャード・セイラー

遠藤真美・訳、早川書房、p.527、¥3024

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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