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横田英史の読書コーナー

縄文人に学ぶ

上田篤、新潮新書

2013.11.25  12:00 am

 タイトルに惹かれて購入したが、評者の求めていた内容とは異なっていた。帯の説明は「神棚、ベランダ付き2DK、高級懐石、家計簿、鍋物のルーツは縄文だ」と魅力的。このほかにも南向きの部屋を好むこと、主婦が家計を預かること、玄関で靴をぬぐことなど、著者はこれらのルーツを縄文に見る。建築学者でありながら30年にわたって進めた縄文研究の結果を開陳したのが本書である。筆者の縄文によせる強い思いがひしひしと伝わってくるが、多くの議論が推測で成り立っていることに違和感を感じる。全体に説得力に乏しいのが残念である。

書籍情報

縄文人に学ぶ
上田篤、新潮新書、p.223、¥756

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。