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横田英史の読書コーナー

気骨:経営者 土光敏夫の闘い

山岡淳一郎、平凡社

2013.9.17  12:00 am

 石川島播磨重工や東芝の社長を経て、第2次臨時行政調査会(第二臨調)会長を務めた土光敏夫の評伝。生い立ちから始まり、社会人・経済人、財界人、家庭人、教育者としての足跡を丹念に追う。清廉や質実剛健といったイメージの強い土光の実像を明らかにしている。読みやすいノンフィクションなので、日本の高度成長期にいたる道程や明治生まれの気骨を知りたい方にはお薦めだ。それにしても本田宗一郎や松下幸之助、井深大、盛田昭夫、土光たちの生き様には痺れるものがある。なお注意して欲しいのは評者のようにリアルタイムに土光を知る人間には、想定通りで驚きが少ない内容なのも事実である。

書籍情報

気骨:経営者 土光敏夫の闘い
山岡淳一郎、平凡社、p.352、¥1,890

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。