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横田英史の読書コーナー

「空気」の研究

山本七平、文春文庫

2013.7.7  12:00 am

 やはり名著だった。「空気」の研究は、大学生のときに月刊文藝春秋で読んで切り口の鋭さと説得力に感銘を受けた記憶がある。それから35年。文庫本で再読したが、まったく古びていない。むしろ東日本大震災以降の状況を見事に言い当てている。読むほどに凄みが伝わってくる。もちろん、日中国交正常化などの事例に時代を感じさせる部分もあるが、論考はいまでも十分通じる。名著「失敗の本質」と同様に、日本の組織の問題点を知る上で必読の1冊だろう。多くの方に一読をお薦めする。
 ちなみに本書は、「「空気」の研究」「「水=通常性」の研究」「日本的根本主義について」の3部構成をとるが、お急ぎの方は最初の「空気」の研究を読むだけで十分である。

書籍情報

「空気」の研究
山本七平、文春文庫、p.237、¥490

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。