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横田英史の読書コーナー

ディジタル作法~カーニハン先生の「情報」教室~

ブライアン・カーニハン、久野靖・訳、オーム社

2013.3.26  12:00 am

 ブライアン・カーニハンとデニス・リッチーといえば「プログラミング言語C」である。評者が組み込みエンジニアだったころ、C言語の教科書といえばこれだった。本書は、カーニハンがディジタル社会と情報技術について最低限知っておくべき事柄を分かりやすく解説する。プリンストン大学の講義「Computers in Our World」がベースになっており、文系の学生がコンピューティングに関する新聞記事を読んで理解し、新聞記事が正しくなければ指摘できるレベルを目指したという。
 本書は3部構成をとる。ハードウエア、ソフトウエア、コミュニケーションである。ハードウエアの章では、コンピュータの構造、ビットとバイト、CPUの中身について解説する。過不足なく説明しており、頭の中の整理に役立つ。ソフトウエアについては、アルゴリズム、プログラミングとプログラミング言語、OSとファイルシステムなどをカバーする。プログラミング言語では、JavaScriptについて説明を加える。コミュニケーションの章では、ネットワーク(モデム、DSL、無線LAN、携帯電話など)、インターネット、WWWについて解説する。

書籍情報

ディジタル作法~カーニハン先生の「情報」教室~
ブライアン・カーニハン、久野靖・訳、オーム社、p.288、¥2,310

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。