イベント・リポート NO-12
ET2004
11月17日-19日 パシフィコ横浜

リポータ : EIS編集部 中村

NO−1

Embedded Technology(ET)2004(組込み総合技術展)が11月17日から19日までの3日間にわたって開催された。このイベントはパシフィコ横浜に会場を移してから3回目の開催となったが、今年は「みなとみらい線」の開通に伴って、展示会場のすぐそばに「みなとみらい駅」が開設され、会場までのアクセスが従来に比較して大幅に改善された。
みなとみらい駅からクイーンズ・スクエアを通って、パシフィコ横浜までは約3分で到着する。

 

クイーンズ・スクエアからパシフィコ横浜へ向かうと写真のような案内板が

展示会は恒例のテープカットで午前10時から始まった。今年の展示出展企業は主催者発表で320社(共同出展を含む)と過去最大となり。展示会場には華やかなブースが並んだ。

 

開会式のテープカットと上から眺めた展示会場の様子

新規参加企業で目立ったのは?

今年のETには30社を超える新規出展企業があったが、その中でも特に目立っていたのがアナログ・デバイセズ社だ。アメリカのEmbedded System Conference(ESC)などでは派手な演出を見せる(参考)同社だが、日本では組込み関連のイベントはもとより、他のエレクトロニクス系の展示会にも顔を見せることはほとんどなかった。今年初めてET2004に出展したアナログ・デバイセズ社のブースは同社のDSP製品「BlackFin」をイメージしたのか、黒を基調にした写真のようなスマートなブース。展示会初日には同社DSPSテクノロジー・グループの有田省吾ディレクターが展示ブース内の見所を説明する記者会見を行うなど、このイベントに賭ける同社のなみなみならぬ熱意が伝わってきた。

 

アナログ・デバイセズ社のブース

 

報道関係者に出展の意気込みを語る
有田ディレクター

アナログ・デバイセズのブースでは、同社のDSP、ADSP-BF561を使用したH.264/MPEG-4AVCのエンコーダ/デコーダのデモなど、具体的な応用例の展示が行われ、来場者や報道関係者の注目を集めていた

AVRマイコンを供給しているアトメル社もETに今年初めて出展した企業のひとつ。同社の説明員は「ETの来場者の質問は技術的の高度で内容が深い」と出展の感想を語っていた。
また、実際には初出展ではないものの、モトローラ社の半導体事業部門が独立、分社して誕生したフリースケール・セミコンダクタ社は、新社名になってから初めての参加となり、関連企業のメトロワークス社と合同で大きなブースを構えていたのが目立っていた。

 

AVRマイコンでお馴染みのアトメル社のブース

 

新生フリースケール社のブース

基調講演、特別講演

経済産業省によれば、今年、2004年は「組込みシステム開発元年」だそうだ。同省は、今年から組込みシステム開発技術、特に組込みソフトウェア開発が日本の将来の国際競争力に大きな影響を及ぼすものと考え、業界初の組込みソフトウェア開発に関する本格的な実態調査を実施する一方で、情報処理振興機構(IPA)内にソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)を新設して組込みシステム開発の競争力強化に向けた取り組みを開始した。
今年のETでは、経済産業省情報処理振興課の小林課長によるこれら政府の取り組みを紹介する特別講演が行われ、新設されたSECによる特別セミナーも実施された。SECの展示ブースでは、SECの活動紹介と来場者に対するアンケート調査が行われていた。

 

経済産業省小林課長による特別講演

 

赤いチョッキの説明員が目立った
SECのブース

開催初日の基調講演に立ったのはインテル米国本社のGlenda Dorchak副社長(Desktop- Platform事業本部、Digital Consumer Electronics担当)。Dorchak副社長は、「Embedding Digital Lifestyle」というタイトルの講演の中で、家庭内のディタル化/ネットワーク化を進展させる上で重要になると思われる、ワイヤレス・ネットワーク技術、ディジタル・コンテンツの著作権保護、半導体のさらなる微細加工技術、業界標準規格の確立などについて、現状と将来展望を交えて講演した。MST/ETの長い歴史の中」でも女性が基調講演に登場したのはこれが初めてだったろう。

 

初日のパネル・セッションは、CQ出版社DesignWave Magazineの中山編集長がモデレータとなって行われた「コンフィギュラブル技術でCPU、DSP、FPGA、SoCはどう変わるか」。最近話題のダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサ、SoCに採用されるようになったリコンフィギュラブル・プロセッサをどう活用すべきかについて、ユーザーの代表を含めた6名のパネリストが議論を交わした。会場には350名を超える聴衆が集まり、最後まで白熱した議論が続いた。

   

初日のパネル・セッション: 会場の様子とパネリストの皆さん

   

レセプション・パーティの様子

 

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