エアコンの無いWADOW Officeにて
第八十二章
「PCBシミュレーションは競技です」
WADOWコーポレーション
楠 和彦
はじめまして、WADOWコーポレーションの楠と申します。プリント回路基板業界に携わって来年で三十年、PCBシミュレーション技術に携わって二十数年なります。業界の地域主義化、環境重視だけではなくグローバル化&経済重視にポイントを置くボーダーレスの人、モノ、技術を旗頭に勤技の背骨を通し何が本当の価値を持つのか(生むのか)を日々楽しく追求しております。
「組込みソフトウェア開発者の方へ」
組込みソフトウェア開発の現場では「ハードの仕様がなかなか決まらない」、「デバッグ用ハードが出てこない」、「変更が多い」などという声がしばしば聞かれますと伺います。プリント回路基板設計の総合的な品質が深く関わっているのではないかと懸念しています。

「評価ボードやデバイスの設計者の方へ」
日本の「ものづくり」の強さは部門間を跨いだ連携と「現場力」で成り立ってきたと思います。一昔前は、自分のテリトリだけでなく関連する部門のやり方や問題などを把握しているエンジニアが多く、できたところからだしていく、できるところからやっていくという日本固有の「阿吽の呼吸」が開発現場にもありました。しかし、分業と専門性が進んだこと。分業による効率化によって開発の時間が短縮され余裕がなくなったことなどにより、他の分野のことは知りたくても知ることができないエンジニアが増えてきているように思います。その構造が、昨今のデバイス技術の飛躍が生んだSI(信号品質整合)問題、PI(電源品質整合)問題、EMII(電磁放射ノイズ整合)問題そして熱の問題という怪物の襲来を受け、評価ボード開発において回路動作が安定しない、又は、これから超高速メモリなどの最先端デバイス等を手掛ける不安を膨張させていると感じています。

「WADOWコーポレーションとは」
難しい理論より現場の経験を重視した実践方を得意としたプリント回路基板シミュレーションの技術構築を行っています。戦うために必要な技術とは何か、必要な道具とは何か、シミュレーション技術の個人レッスンによる技術者育成や営業支援およびマーケティング支援、作業受託を生業としており、プリント回路基板設計だけでなくプリント基板製造とも連携をとり、総合的なコンサルティングも行っています。これからは組込みソフトウェア開発やLSI設計FPGA設計などの水平分業にも目を向けていきたいと思っています。

「情報発信から参加型のWEBサイトへ」
水平分業でのより高度な連携が必要な中、これからPCBシミュレーションの世界に入ってくる方々や、他の分野のエンジニアの方にも理解していただけるようなWEBサイトの立ち上げを協力させていただいており、この場をお借りしてその紹介をさせていただきます。
http://wadow.adsying.com/

現在はまだ一方的な情報発信の色がありますが、今後は参加型の色を強くして活きたいと思っています。先行してシングナルインテグリティ問題を解決なされているベテランの方々から、毎晩PCBシミュレーターの前に涙している方々、まだ初心者にもなりきれていない方々、分業の垣根問題を越えて「イノベーション」を進めていくためにも是非ご参加下さい。
サイトへの参加にはユーザ登録が必要ですが当然、無料。氏名、会社名や住所など煩わしい情報入力は不要です。


「自己紹介」
1990年代にまったくの素人として世界初のPCBシミュレーション技術サービスビジネスを確立、数百件以上におよぶ案件を担当し電子工学の知識がなくても対応できるシミュレーション技術を自ら実証してきました。現在はゼロからシミュレーションビジネスをスタートしようとしている多くの企業の技術顧問を務めたり技術的・営業的に支援を行いながら戦う道具(SI PI EMI 熱シミュレーター)の研究もあわせて行っています。
 
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お断り
本バックナンバーの記事中における、著者の方々の所属・役職・emailアドレス等は執筆当時のものです。EISでは現在の所属・地位・emailアドレ ス等に関しては関知しておりませんので、予めご了承ください。
なお、執筆後転職あるいは退職された方の記事につきましては、諸事の事由を勘案し、題目と当時の役職のみを掲載いたします。

第 一 章 1999年6月 ・ADaC(株)河原社長
「当時も今も変わらない」
第 二 章 1999年6月 キャッツ(株)上島社長
「シリコンバレーに会社ができた!」
第 三 章 1999年7月 豊橋科学技術大学高田先生
「ITRONオープンセミナーレポート」
第 四 章 1999年8月 ・ガイオ・テクノロジー(株)国峯副社長
「テクノ難民向けボランティア活動が夢です」
第 五 章 1999年8月 ・日本シグナスソリューションズ伊藤GM
「サポートこそ価値あるソリューションの一つです」
第 六 章 1999年9月 エルグ(株) 澤田専務
「欧米に負けないソフトウェアエンジニアリング会社を作ろう!!」
第 七 章 1999年10月 ・(株)エルミックシステム 雨宮取締役
「Embedded System Manufacturer」
第 八 章 1999年10月 ・イーエスティ株式会社 坂本代表取締役
「米国と付き合う」
第 九 章 1999年11月 ・メンター・グラフィックス・ジャパン(株) 新井取締役
「がんばれ、ニッポン!」
第 十 章 1999年11月 株式会社グレープシステム 多賀代表取締役
「作るか、買うか」
第十一章 1999年12月 ・日本シグナスソリューションズ 藤井代表取締役社長
「レッドハットとの合併について」
第十二章 1999年12月 (株)エーアイコーポレーション 加藤代表取締役
「Embedded業界の梁山泊に」
第十三章 2000年1月 ・マイクロウェア・システムズ(株) 星マーケティング・スペシャリスト
 「この時代に生きて21世紀につながる仕事ができる幸せ」
第十四章 2000年1月 日本ノーベル株式会社 塩山営業本部長
「システム評価を仕事にしています。」
第十五章 2000年2月 ・株式会社ベスト・テクノロジー 岡崎SES/Altiaチームリーダー
「システムシミュレーションの重要性」
第十六章 2000年3月 ・メトロワークス株式会社 ジョン・チャック代表取締役
「個人法人M&A」
第十七章 2000年5月 ・センチュラ・エンベッデッド・システムズ(株) 代表取締役社長 竹森 淳
「自己紹介とEmbeddedデータベースの展望」
第十八章 2000年8月 有限会社 スペースソフト 代表取締役社長 北山 洋幸
「必要ないものを作りたい」
第十九章 2000年10月 株式会社ワイ・ディ・シー(YDC) 猪狩advice事業部長
「私はMr."advice"」
第二十章 2000年12月 ・モンタビスタソフトウェアジャパン株式会社 有馬社長
「組込みLinuxの会社を立ち上げて」
第二十一章 2001年1月 ・株式会社豆蔵 セールスマネージャー 米澤 紳一 
「組込ソフトウエアに関する極私的なビュー 」
第二十二章 2001年6月 イーソル株式会社 エンベデッドプロダクツ事業部 事業部長 上山伸幸
「組み込み業界への新潮流 『eBinder(μITRON統合開発環境)』」
第二十三章 2001年9月 ・日本セロックシカ株式会社 代表取締役 コリン・メーソン
「イギリス人支社長 単身で日本支社立ち上げを開始、今に至るまで 」
第二十四章 2001年10月 ・日本テレロジック株式会社 ディレクター セールス&マーケティング 天野友昭
「日本テレロジックと私、新参者ではございますが…… 」
第二十五章 2001年11月 テンシリカ株式会社 代表取締役 高橋 眞澄
「Xtensaの伝道師 」
第二十六章 2002年1月 レーザーファイブ株式会社 代表取締役 窪田 敏之
「ラジオ小僧が原点、組込Linuxビジネスに挑戦」
第二十七章 2002年9月 ・メトロワークス株式会社 取締役 シニアディレクター 今村 義幸
「CodeWarriorと出逢うまで」
第二十八章 2002年11月 株式会社エルミックシステム 執行役員西日本地区営業統括部長 大久保整
「基本をわかりやすく 」
第二十九章 2003年1月 アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド代表取締役社長 中村 憲一
「逆風下での起業 」
第三十章 2003年2月 株式会社ガイア・システム・ソリューション 最高技術責任者兼社長 田中 周三
「視点はハードからソフトへ 」
第三十一章 2003年3月 パーソナルメディア 取締役 企画本部長 松為 彰
「組込みシステムの多漢字化へ 」
第三十二章 2003年4月 高田広章 名古屋大学
「名古屋大学そしてTOPPERS」
第三十三章 2003年5月 有限会社 楓創研 代表取締役社長 風見晴雄
「新たなる旅立ち」
第三十四章 2003年6月 株式会社グレープシステム 代表取締役社長 小原正春
「夢と希望の新産業の創設を目指して」
第三十五章 2003年7月 ・京都マイクロコンピュータ(株)東京オフィス、ゼネラル・マネージャー 辻 邦彦
「組み込みシステムの開発をより良くするために」
第三十六章 2003年8月 ・マイウェイ技研(株)取締役,ソリューションカンパニー/マネージャー仲野 久利
「パワーエレクトロニクス分野の組込み支援でオンリーワン」
第三十七章 2003年9月 有限会社プライムシステムズ 代表取締役 内田正典 取締役 三橋 晋
「FPGAとUSBを核にした技術で組込みシステムに挑む」
第三十八章 2003年10月 合資会社もなみソフトウェア 代表役員 邑中 雅樹
「組込み向け分散処理に関する話」
特別寄稿 2003年10月 (株)シーフォーテクノロジー R&D セキュリティインテグレーション部 小川 博久
「ユビキタスとプライバシー」
第三十九章 2003年11月 株式会社ソフィアシステムズ 代表取締役社長 樫平 扶
「新たなソリューション・ビジネスの提供を目指して」
第四十章 2003年12月 株式会社 ディー・ディー・エス 代表取締役 三吉野 健滋
「証券マンが組込ベンチャーを起業してから」
第四十一章 2004年1月 富士設備工業株式会社 電子機器事業部 浅野 義雄
「組込みツールによる、ゆとりへの貢献」
第四十二章 2004年2月 株式会社イーエルティ 企画開発本部 開発技術部 部長 渡辺 武夫
「組込み業界での自分」
第四十三章 2004年3月 情報技術開発株式会社 横浜支社エレクトロンシステム開発部部長 廣田 豊
「T-Engine応用による業界活性化」
第四十四章 2004年4月 東陽テクニカ(株)ソフトウェア・ソリューションチーフコンサルタント 二上貴夫
「楽しく組込みシステム/ソフト開発しませんか」
第四十五章 2004年5月 ・エニア・エンベデッド・テクノロジー株式会社 代表取締役社長 工藤正一
「先端のリアルタイムOS職人会社ここにあり」
第四十六章 2004年6月 ダイナミック ソリューションズ(株) 事業統括本部 企画・営業G 高橋 真人
「アメリカへのVience売込み」
第四十七章 2004年7月 株式会社タンバック 代表取締役 竹下 吉大
「組み込み業界の黒子に徹します」
第四十八章 2004年9月 ・フェニックステクノロジーズ(株)カスタマーエンジニアリング事業部 石黒 一敏
「組み込み系システムとBIOS」
第四十九章 2004年10月 レクロイ・ジャパン株式会社プロダクト・マーケティング・マネージャ 辻 嘉樹
「組み込みシステムのデバッグ・ソリューション」
第五十章 2004年11月 株式会社ヴィッツ 開発第3部 部長代理 服部博行
「なんでも自分で創りたいと思いませんか?」
第五十一章 2005年1月 株式会社 ロイノス 代表取締役 杉山治彦
「河原の石、流されるほどに丸くなり。」
第五十ニ章 2005年3月 東京都立産業技術研究所 製品開発部 制御システム研究室 坂巻佳壽美
「エンベデッド技術者を目指すならハードも学べ!」
第五十三章 2005年5月 ・Elixent ワールドワイド セールス担当VP Charlie Cump
「リコンフィギュラブル技術への挑戦はつづく」
第五十四章 2005年6月 岸田技術士事務所 所長 岸田昌巳 技術士(情報工学部門)
「エンジニアよ、本業をなす為に、社外に出るのだ!憂国のエンジニア募集中」
第五十五章 2005年7月 リネオソリューションズ株式会社 代表取締役社長 二木健至
「信州の四季を五感で感ずる」
第五十六章 2005年8月 株式会社フォー・リンク・システムズ 取締役 中村 和夫
「新天地で組込み関連事業を立ち上げました」
第五十七章 2005年9月 ガイオ・テクノロジー株式会社 営業担当執行役員 岩井 陽二
「これまでの10年、これからの10年」
第五十八章 2005年10月 ・アイピーフレックス株式会社 マーケティング部 部長 井手野 雅明
「ダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサに出会って」
第五十九章 2005年11月 AXE, Inc. Executive Engineer, Development Div. Tadashi G. TAKAOKA
「たかおかはちからをためている」
第六十章 2005年12月 ・エンサーク株式会社 代表取締役 湯本 公
「データセントリックアプローチで組込みのソフトウェアクライシスを解決する。」
第六十一章 2006年1月 ・イーエイシック・ジャパン株式会社 営業本部長 岸本 陸一
「スタンダードメタルASICへの挑戦」
第六十二章 2006年2月 東電ユークエスト株式会社 取締役副社長 山内 敏弘
「ユビキタスネットワーク社会に向かって」
第六十三章 2006年3月 ・イーシリコン・ジャパン株式会社 ジェネラルマネージャー デザインサポート 豊田 新次郎
「あなたのIdeaをICに」
第六十四章 2006年5月 ・dSPACE Japan 株式会社 アカウントマネージャ  シニアセールスエンジニア 田渕 一成
『dSPACE、ついに日本進出!』
第六十五章 2006年7月 ・デバイスケープソフトウェアインク 日本支社長 今村 義幸
『組み込み雑感とワイヤレスLANへの挑戦』
第六十六章 2006年8月 株式会社ブレインズ チーフエンジニア 加納 護
『組み込みBSDカンパニー “Of course it runs NetBSD”』
第六十七章 2006年10月 株式会社 日新システムズ 取締役事業部長 竹内 嘉一
「日新システムズって、こんな会社です」
第六十八章 2006年11月 株式会社トラスト・テクノロジー 代表取締役 山本 隆一郎
「十分に発達した技術は魔術と区別できない」
第六十九章 2006年12月 トライピークス株式会社 代表取締役社長 戸井田 穰
『新たなるEmbedded Linuxの時代へ』
第七十章 2007年1月 日本ノーベル株式会社 アドバンスト・クオリティ事業部 事業部長 下山 到
『組込み開発の"品質改善"を目指して』
第七十一章 2007年3月 株式会社ジェーエフピー 代表取締役社長 漆原 憲博
『コンピュータは楽しいな』
第七十二章 2007年5月 ・エルミック・ウェスコム株式会社 R&D担当 金田一 勉
「キンは“あれこれ”」
第七十三章 2007年6月 ・キャッツ株式会社 経営企画室長 森本 聡
「今後楽しみなソフトウェアの資産性について」
第七十四章 2007年10月 ・株式会社ワイ・デー・ケー YDKテクノロジーズ 開発技術 アシスタントゼネラルマネージャー 松本 哲明
「ロケット飛ばします、飛行機飛ばします、ついでに壁も登ります」
第七十五章 2008年1月 エニア・エンベッデッド・テクノロジー株式会社 根津 嘉明
『縁の下でネットワークインフラを支えています』
第七十六章 2008年3月 株式会社ネクスト・ディメンション 取締役COO 浅井 剛
「何故CPU搭載FPGAにのめり込んだのか」
第七十七章 2008年5月 株式会社アクトラス 代表取締役 眞田 慎
「次世代センサの技術開発に挑むアクトラスです」
第七十八章 2008年8月 株式会社ソリトンシステムズ 組み込みシステム部 部長 木下 智雄
「C言語ハードウェア設計の現在と未来」
第七十九章 2008年9月 ジーンシス・ジャポン株式会社 代表取締役社長 兼平 靖夫
「ダイバーシティから生まれるイノベーション」
第八十章 2008年10月 ・バーチャテック・ジャパン株式会社 ビジネス・デベロップメント・マネージャー 高橋 高弘
「“外資系の対応”と言わせない」
第八十一章 2009年7月 SOSEI Tech株式会社 秋谷 貞男
「エレクトロニクス業界の蘇生を目指して!」
第八十二章 2010年9月 WADOWコーポレーション 楠 和彦
「PCBシミュレーションは競技です」


「若手の広場」バックナンバー 目 次

お断り
本バックナンバーの記事中における、著者の方々の所属・役職・emailアドレス等は執筆当時のものです。EISでは現在の所属・地位・emailアドレ ス等に関しては関知しておりませんので、予めご了承ください。
なお、執筆後転職あるいは退職された方の記事につきましては、諸事の事由を勘案し、題目と当時の役職のみを掲載いたします。

第1回 2000/05/29 「わたしとエルグ」 エルグ株式会社 吉村 美代子 権藤 正樹

第2回 2000/10/09 「組込み業界」 日本ラショナルソフトウェア株式会社  石井 通義

第3回「加速する技術」 アクセラレイテッドテクノロジー社  麦田興次 吉田有理

第4回「はじめての組み込み」 Upwind Technology, Inc.  飯田政光 久部善敬