|
 |
  |
| 第八十一章 |
|
| 「エレクトロニクス業界の蘇生を目指して!」 |
|
|
SOSEI Tech株式会社
秋谷 貞男
|
|
|
|
初めまして、SOSEI Tech(株)の秋谷です。私は、長い間、半導体・エレクトロニクス商社に勤務していましたが、昨年、思いきって起業しました。私の起業に至るまでの経緯と現在の組込み業界に対する想い、そして弊社のサービスをこの場を借りて紹介させて頂きます。
|
|
 |
|
|
簡単な自己紹介
私は元来、コテコテの文系人間でして、実はエレクトロニクス/IT等と言われる様な“文明の利器”は苦手と言うより大嫌いでありました。大学(経営学部)を卒業して、将来は両親が経営していた“商売を継ぐ”ことも考えて、外食チェーン(ゼンショー:すき家)に就職しました。当時のすき家は30店舗位と小規模でしたので、やりがいも沢山有ったのですが、“若気の至り”から2年程で退社し、現在のエレクトロニクス・組込み業界に転職しました。以来、この業界に入って、もう約20年になってしまいました。この“元牛丼屋”が何故20年もこの業界に居続けられているでしょうか?これまで私が辿ってきた道を紹介し、現状の業界の問題点とそれに対する私の取り組みについて述べさせて頂きます。
PLD/Alteraとの出会い
私は1989年1月、ある半導体輸入商社に就職し、そこで米国Altera社製PLDの開発ツールの担当を任されました。当時、パソコン等に全くさわったことの無い私は、真冬の外からすきま風の入るデモコーナーで日々、MSーDOSの本を片手に寒さに震えながら人差し指一本で D I R! なんて打っていました。この当時、日本ではAT互換機がまだほとんど普及しておらず、私が使用出来るAT互換機は社内に1台しか有りませんでした。また、Alteraのソフトは当然英語であり、更には専門用語ばかりですから、素人同然の私には全く理解できず、何度も出てくる“Click”が小さな英和辞典には載っておらず、大いに悩んでいたのを思い出します。このような悪戦苦闘の末、何とかデモやインストールが出来る用になるまでには半年もかかり、実際にデバイスのビジネスを把握するまでには、お恥ずかしながら1年以上もかかった様に思います。幸い、Altera社の開発ツールの出来が良い事もあり、それ以降は順調に販売実績も伸び“World Wide Record”の表彰も受ける事も出来ました。
その後PLDがFPGAとして大規模/高集積化すると共に市場も一気に成長する中、私は大阪へ転勤しました。大阪では営業所の立ち上げから始まり、3rd Partyとのコラボレーションの推進、現在の「FPGAコンソーシアム」の発足のキッカケとなったセミナーの企画/開催などを行い、西日本以西におけるAlteraのシェアを約80%近くまで持っていくのに成功しました。
1998年からは、数年後の大学/高専の独立行政法人化に合わせて「HDL設計教育カリキュラム」を導入させるための全国行脚も経験しました。
組込システムとの出会い
私が組込みシステムと最初に出会ったのは、当時はMSTという名前だった展示会、現在のET展だったと思います。この頃は、PLDが少量多品種の組込ボードへの搭載が始まった時期にあたり、私にとっては展示会の見学と言うよりも効率の良い営業の場として、活用させて頂いた記憶があります。ただし、この頃は私の中にはまだ、“組込システム”と言う認識は全くなく、実際に私が組込みシステムを意識、認識したのは、以下の2つのことがきかっけでした。
1.SWESTと言う、組込システムにおける産学連携を目指したワークショップの第2回目に参加させて頂いた際に、「ソフト設計者/ハード設計者の協調設計は実現できるか?」と言う様な内容のディスカッションを聴講して、そこで初めて“組込システム”と言う言葉の存在、さらには組込システム開発は日本が1番進んでいる!と言うことを初めて認識しました。
2.1999年位からPLD/FPGAメーカーがこぞって組込用CPUを搭載したデバイスの販売を開始し、私も必然的に組込システムの世界との関係が深くなりました。
その後、FPGAと組込システムが、もはや切っても切れない関係になったのは皆さんのご承知の通りです。
組込みシステム業界の問題点
その後、私は2003年に親会社へ転籍し、LSIターンキー・ビジネスや設計受託/リソース斡旋のビジネスを担当しましたが、これらの業務を通して私の心の中では以下の様な、日本のエレクトロニクス、組込み業界の問題点が浮き彫りになりました。
・デジタル化の波から進展した、ものづくり軽視の風潮と日本国内における技術の空洞化
・重電の世界からそのまま弱電、そして組込みシステムの世界に浸透しているビジネス慣習
・大手電機・通信機器メーカーなどから中小設計開発会社への開発プロジェクトの丸投げ
・コスト低減という名の下に横行するインチキ派遣
・途絶えつつある、シニア技術者から若い技術者への技術やスキルの継承
・大手企業就職したものの、開発の現場には配属されず、大学で習得した専門知識を生かせないまま「手配師」となってしまう若い技術者達
・学生の理系離れと、大学における電子・電気系コースの不人気、低レベル化
などです。
一方、日本の組込み業界においては元々小規模の会社が多いせいか、ここ数年は多くの企業が特色を出せずに苦労しているように見えます。その結果、同じ様な製品群を販売しながら、実際には受託開発の請負でしのいでいる企業が多くなり、しかも受注した開発案件の一部または全部を外注化する、“商社化”が進んでいるようにも見えます。私は、このような問題点や課題を少しでも解決し、閉塞感が漂いはじめている現状を打破するため、昨年、自ら新しいサービスを提供する新会社を立ち上げました。会社名は、日本のエレクトロニクス業界を「蘇生」させ、多くの技術者がもっと元気になる新しい仕組みを「創生」することを目指して、「SOSEI Tech」としました。
弊社の取り組み
弊社では、最初に、「“設計開発何でも.COM”=LSI/組込エンジニア向けポータルサイト」を開設しました。このサイトでは、高い設計スキルやユニークな技術を保有している中小の設計開発会社とその製品、および質の高い技術者・設計者を紹介しており、逆に優秀な人材や優れた開発リソースを探しているシステム・メーカーからの案件も掲載して、両者にマッチングの場を提供しています。また、東京に営業拠点を持っていない地方の企業に対しては、弊社が東京営業所の役割を代行するような販売支援サービスを提供しています。
将来は、弊社が中心になって、中小の設計開発が保有しているコア技術を組み合わせて、これまでにない新しい製品やサービスを生みだすことを目指していきます。
一方、“教育”に関しましては、NPO法人「科学技術立国創生を推進する会(申請中)」に参加して50歳以上の技術者に70歳まで生涯現役で頑張ってもらう機会を提供すると共に、技術の伝承、若手技術者の教育に再度チャレンジしてもらう新たな仕組みを考案中です。
半導体、組込システムを含む日本のエレクトロニクス業界では、ここ1〜2年でさらに企業間統合などによる業界再編が進行することが予想されています。幸い、日本の組込システム技術はまだ世界でもトップレベルに有ります。弊社は微力ながら、これがさらに強靱な体質になるような新たな仕組み作りもトコトンチャレンジしていく覚悟ですので、ぜひご支援をお願いします。
現在“設計開発何でも.COM”では「この大不況を勝ち残る為に!」シリーズで、不況克服のネタが見つかり次第、順次メール配信しておりますので是非一度、弊社のサイトをご覧の上、ご登録下さい。(バックナンバーは、:http://sosei-tech.com/mail-maga.html)
| |
|
 |
| |
| |
|
|