Embedded業界紳士録

第十四章 日本ノーベル株式会社 塩山営業本部長


システム評価を仕事にしています。

日本ノーベル株式会社
営業本部長  塩山 宗満

日本ノーベル(株)
私どもの会社は20年前に設立された、140人ほどのソフトウェア開発・サービス会社で産業系顧客のシステム構築のお手伝いをさせていただいて来ました。その中で組み込み技術者、EISの読者のみなさんに関係が深いところは鈴木祥夫(写真右)をリーダーとするシステム評価グループの事業でしょう。

コンパイラ評価
このシステム評価事業はもう6年ほどになりますが、コンパイラの品質評価がその中心になっております。ご承知の通り、新しいCPUチップが出ますとそれに対応した開発環境も出荷されるわけですが、そこには必ず新しいコンパイラが必要となってきます。その、C/C++コンパイラの品質評価を私どものところで蓄積してきたテストソフトウェアで行うのです。かなりニッチな分野なのですが、この種のサービスを引き受けているところは世界広しといえども私どものところだけではないかと思います。私どものサービスは、(1)コンパイラ開発中の検証、最終検査、(2)製品バージョンアップ時の品質確認、(3)サードパーティー製品の受け入れ検査などにお使いいただいています。半導体メーカーを中心に10社ほどのお仕事を頂いており、サードパーティー製品も含めると、これまでに検証したコンパイラの数では数十セットになるでしょう。検査といっても完全ではありえませんが、お客様の現場で問題が出たときはその情報をフィードバックして頂いてテストプログラムを強化し次回の評価に活かす形をとっており、この情報はすべてのお客様の品質評価に再利用しております。


Plum Halls社コンパイラ検証製品
この事業を拡大し始めた頃、ADaCの河原社長からご紹介を頂き、コンパイラ規格検証ソフトの世界標準的な製品であるPlumHallValidation Suiteの販売を手がけることになりました。98年の10月にDr. Plumに会って、一目惚れ、親しい間柄になり99年2月には代理店契約を結んで販売をはじめました。これにより、規格検証のツールとしてのPlumHall社製品と品質評価用の我が社の評価サービスとが一体となって新しい補完関係ができるようになりました。このため、お客様の範囲も広がり、PlumHall社にとっても日本ノーベルにとっても良い展開ができるようになりました。
 

EC++委員会
私たちもEC++委員会に加えて頂いておりますが、このことが私どもの目を大きく拡げてくれました。一つはCだけだった評価サービスをEC++、フルのC++Javaなどへ展開していくニーズをつかんだことです。世界に目を向けるきっかけもこの委員会の活動の中から学んできました。

ACE社CoSyコンパイラ開発システム
それからこの縁でオランダのACEからある日突然メールが飛び込んできて「うちのCoSyというコンパイラ開発システムに興味がないか」と言ってきたのです。そこで何度か会って話を聞いて行くうちにおもしろそうな製品だと分かってきたので、販売の仲介をする契約を結び、技術者がオランダへ研修に行ってきました。(この写真はオランダ・アムステルダムのACE社本社・築100年以上経っている建物を大事に使っています)。この製品は、DSPVLIWなど今までのCコンパイラが使われていなかった分野に比較的短期間に安上がりに開発できるというもので、システムLSI時代に必須の技術だと思っています。

ITRON仕様OS検定・検証ソフトおよびサービス
これまで東芝の田丸さん、NECの門田さんなど業界の多くの方々から私どもの事業を育てていただきましたが、今後の展開としては、コンパイラだけでなく、組み込みの世界に必要なソフトウェアの検定・検証・品質評価という視点でいろいろビジネスを拡大していこうと考えています。現在、お客様のご要望が強いITRON仕様OSの規格準拠性を検定・検証するソフトウェアの開発をIPAの資金援助を受けて行っています。これもトロン協会ITRON部会の規格検定WGに加えていただいてそこで必要な情報を頂きながら、システムの開発を行っています。規格検定と品質評価(検証)を行っていくというコンパイラと同じビジネスモデルで展開していきたいと考えています。

JavaVM評価サービス
それから、JavaVMの評価も開始しています。もともとコンパイラの評価用にソフトを作ってきたのですが、さすがにJavaコンパイラを作っているところは少ないようです。けれどもよく見てみるとJavaVMを開発しておられるところはたくさんあり、ここでも検証のニーズがあることが分かってきました。RTOSの評価に着目しはじめたところ、意外な反響があり、将来はITRONだけでなく、他のOSや、ヨーロッパの自動車業界の組み込み系標準OSであるOSEKの検証なども視野に入れていきたいと思っています。

世界へ?
その先は、この事業のワールドワイドの展開でしょうか。コンパイラメーカーは米国やヨーロッパに多く、そのニーズもありそうです。若い人たちを中心に英語の勉強をしていますので、どんどん外へ出ていってもらいたいと思っています。コンパイラ、RTOSの検証をビジネスとして世界に展開できるか、真面目に検討中です。。9912月に日本ノーベルとしてISO9001の審査登録にパスしましたので、品質を重要視していく企業としての基礎ができ、これなども検証ビジネスにはプラスになるでしょう。

SELA
日本ノーベルのユニークな事業の一つに女性の在宅勤務制度SELAという仕組みがあります。これは家庭に入ってしまった女性の情報技術者に時間に余裕が出来たときに在宅で仕事をしていただこうというもので、現在220人ほどの登録があります。よくマス・メディアに取り上げられるのですが、いつの間にかEISにもリンクが張ってあってびっくりしました。この女性パワーは当初は自社のビジネスの戦力として考えていたのですが、登録人数が増えてきたので、今はどんどん外の仕事も戴いています。

私のこと
紳士(?)録ということで、私個人のことも少々。学校を出てからユニバック(今のユニシス)コンピュータの製造をやっていた沖ユニバックという会社に入りコンピュータや周辺機器の品質管理、開発、製造に従事してきました。この間米国出張や駐在も経験して、貴重な体験をさせてもらいました。最初のアメリカでの仕事が、コンピュータ接続されたBed-of-Nail式のピンをたくさん立てた治具を使ったプリント基板検査装置の導入で、当時の最先端の技術でした。UNIVAC418というコンピュータで、磁気ドラムを使っていました。これが約30年前。ボードの検査技術を今年のインターネプコンで見たのですが基本的なところはその頃と変わっていないという印象を持ちました。

それから米国で多くの友人が出来ましたが、特にアジアの他の地区の人たちと知り合いになれたのが私の財産の一つになりました。韓国、中国、タイ、ラオス、インドネシア、マレーシアなどの人たちと今も交流が続いています。

このときから、検査・検証という分野の業務もいろいろ手がけてきましたが、ユニシスが日本での製造をやめることになり、別の外資系に2年ほどいたあと現在の日本ノーベル(株)に入社、営業本部を担当しています。仕事以外では、40年来のキリスト教徒で、最近新約聖書を原語で読もうとギリシャ語の勉強をはじめました。この言語の”かなめ”は動詞の変化を理解することなのですが、覚えることはもうなかなかできないので、パソコンのソフトを活用しています。そのほか教会学校の先生をしたり、聖歌隊で歌ったりしています。
 

どうぞこれからも日本ノーベル(株)をかわいがって下さい。

 
 

E-Mail: shioyama@jnovel.co.jp

http://www.jnovel.co.jp

 

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